rain of teardrop【黒バス/ジャバ】
第28章 wrong step on the stairs2
名無しは目覚めとともに、寝汗のべったりとついた自身の首筋に手を宛がった。
暑苦しいと思ったがゆえの症状……その理由を辿る為に、寝落ちる前の出来事を思い返す。
「――……」
その瞬間、振り返るべきじゃなかったと名無しは後悔した。
気付いた途端に震え出す身体に、時折、疼きさえ起きて呼吸が荒む。
汗は寝苦しさの所為じゃない。
確かに見ていたのはただの夢だった。
けれど、眠る前に彼女がされていたことのそれはまるで延長戦のような気がして、平常心が崩れてゆく。
「ッ……」
されていたのは、シャワーを浴びていた最中、そして寝室に移っても続けられた凌辱の限り。
経過した時間も分からないまま、意識を失うまでナッシュに尽くされたそれを思い出してのち、目に映る現実を受け入れるのはなかなか荷が重かった。
「あ……」
「んん……、あー…?」
ベッドに横になっていた名無しの隣で眠っていたのは、ナッシュではなく、未明に帰宅していたらしいシルバーだった。