rain of teardrop【黒バス/ジャバ】
第27章 wrong step on the stairs
その獰猛な性格のなかにも、彼なりの矜持があることは知っている。
シルバーがそうだったからだ……ゆえに、ナッシュのプライドだって低い筈がなかった。
名無しは今が従うべき局面であることが痛く分かっていても、それを成すことが出来ないほど、身体を濡らしてもなお、想いだけはシルバーに向いていた。
高らかな自尊心を傷つけられたナッシュが、数秒後自分をどうするか……。
それでも―――。
「や……ァ…アッ、あ……抜い…」
「ん……気が狂うまで犯してやるよ。安心しろ…おまえが言わねえ予想もついてたぜ。当然だろう?」
「あ…、あっ…んぁ……」
「そこまでシルバーに嵌って……ハッ…なのに今おまえは、オレにヤられて濡らしてやがる…傑作だな!」
名無しが口腔を解放され、直後自然と口漏らした言葉は、ナッシュを逆上させるものでしかないそれだった。
たった一言……その否定的な返答ひとつが、自分の未来に陰りを与える。
身体が快楽を感じても、どんなに嬌声を上げても、名無しがいま居たいと思っていたのはシルバーの腕の中。
たとえ彼が同じ刻、他の女を組み敷いていても、自分がナッシュを肯定することだけは絶対にできなかった。
「あ、あ……いっ…、…ィ……!!――いや……突…ッ」
「気が狂うまでっつったろ……。イッた女をそのまま突くのは気持ち好いんだよ……おまえも経験済みだよな?」
「ひ……ぁ…」
「まさかこれももうシルバー以外にはされたくねえ……か?甘いな……やめてやるかよ」
「――!!」