rain of teardrop【黒バス/ジャバ】
第27章 wrong step on the stairs
「は……ァ」
「……フッ…なんだ。威勢の無え……まさか感じて何の抵抗も出来なくなっちまったか?」
「っ……ちが…!!む……んッ」
「ン――……違わねえな……。欲しいんだろう?シルバーに惚れようが、結局は誰にヤラれたっていいんだよ……おまえは」
「ちがう……!…っ、あ……」
力ないままに唇をゆるした名無しは、その咥内をナッシュの舌によっていとも簡単に弄られていた。
しばらくぶりの、シルバーとはまた違った感触とキスの仕方に身体が疼く。
不本意な事この上なかったけれど、ナッシュを相手に反応しないまま居ることは到底不可能だった。
絡み合う舌が熱く、ふと聞こえる彼の吐息もまた久しい。
もともとシルバー欲しさに待ち焦がれていた身体は、ナッシュのキスひとつであっさりと開いてしまっていた。
そのことを一番悔しがったのは勿論、名無し本人だった。
「や……、ア…」
「ん……チュ――…顔色が変わったぜ?腰もひくついてやがる」
「っ……、やめ……」
「そう思うなら、もう少しまともに抵抗のひとつでもしてみせろよ……フッ。まあ無駄か……」
髪を手中で弄ばれる感触に悪寒が走る。
今それをして欲しい相手は決してナッシュではなかった。
名無しは指摘されるがまま、腰のひくつきを抑えるべく、懸命に強い意志を貫こうとした。
けれどおさまるどころかびくびくと震えは続き、白い肌には薄らと鳥肌が浮かんでいた。
唇に続いて、掴まれていた腕に口付けられ、スッと這わされる長い舌。
甘噛みされた手首に走る快楽に一瞬膝の力がゆるむと、名無しは思わずナッシュにもたれ込んだ。