rain of teardrop【黒バス/ジャバ】
第27章 wrong step on the stairs
「だって……あの人…」
「ん?……ああ…シルバーはおまえに惚れてる。おまえだってそうだ……前にも言ったよな?事実だ」
「…、ッ!……や…」
「オレが混ざると、アイツはもう好いカオはしねえ……コレも言ったよな?だからオレ一人で来たんだぜ。ハハ……ッ!そら……向け」
「!!…んん……ッ」
名無しの身体が触れ、自身の服が濡れることも厭わずにナッシュは彼女を抱き寄せる。
大きな手で掴みあげた顔は指先に力を入れ、白い頬に喰い込ませながら距離を詰めた。
目を逸らす名無しは嫌そうな表情をしている……まあ当然だ。
けれどその歪んだ表情を、やがては快楽を感じる様に成り果てるであろう姿を想像し、ナッシュは微笑した。
自分が此処に来た意味を嫌でも理解させ、そしてそのときを久しぶりに迎える。
奪った唇は潤いみずみずしい。
一方的ではあるものの、それはまるで吸い付くように、二人のあいだで甘美なキスが交わされた。