rain of teardrop【黒バス/ジャバ】
第25章 nothing in return2
「それ以上……だめ…ぃ、や……」
「言ってろ……気持ち好さそうに喘いじまってよ。ハハッ」
「……ッ、ぁ…、ん!」
シルバーは名無しをシンクの上に座らせると、足を上げさせ、いやらしい体勢をとらせた。
半端に脱がされた服と下着のいやらしさに興奮して、彼もまた下半身を勃起させている。
肌という肌に吸い付き、舐め回し、あっという間に互いの中心をひとつにさせるための手段を取り繕う。
一分一秒でも早くなかに入りたいという欲求が漏れているシルバーの行動に、名無しが拒絶の所作をとるタイミングは微塵もなかった。
「や……ぁ…っ」
繋がって、突かれて、最初はすぐに中に出された。
困惑している間にまた律動が始まって、シルバーの喘ぎも段々と大きく、そして卑猥な擦れ声へと変わっていった。
このとき名無しが口にしていた否定的な言葉は、快楽に溺れ狂い、変わり果てた自分になりたくないと願った意味合いが強かった。
シルバーを拒むためのそれではなかったことに一番驚いているのは、勿論彼女自身だ。
友人に最低なことをして、最低と思っている男に足を開き、都合よく嬌声を垂らすその始末。
名無しの気持ちをほんの少しでも思えば、何も考えられないようにしてやることこそ、また慈悲にも近しいことだとシルバーは判断していた。
野蛮な彼がそう感じられたのも、自分に宛てられたギフトがあったからだろう……。
「名無し―――っぐ……あ……ッ」
「、…っ……――…!!」
体位を何度も変え、そのたびに射精された。
今度はシンクから抱き上げられると、寝室はベッドでのセックスが待っている……。
その後しばらくして途中から聞こえてきたのは、名無しの携帯の振動音だった。
友人からの着信か?という一言も突っ込む余裕は今はない、シルバーはただただ夢中になって名無しを抱き、シーツの中で共に溺れることを選んでいた。
甘酸っぱい味はまだまだ消えず、互い、それはキスをするたびにより感じ合った――。
20190413UP.