rain of teardrop【黒バス/ジャバ】
第3章 rain of teardrop-3
どちらかに気が向けば、どちらかを見失う。
そこに不幸を注がれて悲鳴が上がりかける。
すぐ自分の傍に居たのに、名無しにはナッシュとシルバーの二人に対し、同時に警戒する余裕はなかった。
名無しはシルバーが再び律動しようとしていたことに気をとられ過ぎており、その結果、自分の上半身を嬲っていた、ナッシュの次の動向に気付けないままだった。
いやらしく頬を撫でられ、顔を向けさせられて思わず目が合う。
自分が果てたことを、ナッシュもまたどこか嬉しそうに、口角を上げ悦んでいた。
「・・・ッ・・―――ッ!!」
突く為にシルバーに下半身を引き寄せられ、ナッシュとの距離が一瞬広がる。
が、そのとき嫌な音が聞こえたのだけれど、名無しが耳にしたそれは、決して気のせいで終わることはなかった。
金具のカチャカチャとうるさいそれに、数秒のファスナーが下りるそれ。
それは名無しがまた、気をとられていた相手がナッシュからシルバーに変わったときのことだった。
「その汗だ・・・喉も渇いたろうよ?ほら・・・三杯目だ。欲しけりゃきっちりしゃぶれ」