rain of teardrop【黒バス/ジャバ】
第22章 unesiness
部屋に来て、迫られた時に落としていた名無しの鞄は、ドアの近くでくったりとしたままだった。
持ち上げる余裕も、鞄を手離したことさえも失念するほどの……そこまで身体も、頭の中も、心も既にシルバーに犯されていた。
抱き上げられ、ごまかせなかった性欲と気持ちを見透かされ、恥を孕んだまま伝えた想いが彼の耳に届いたのは予想外だった。
が、これから起こるであろう出来事に期待している自分がいる……名無しは躍る胸と高揚感を必死で隠した。
もっとも、それすら見破られていることも分かってはいたけれど――。
この男が好きとか、思慕しているとか、そういう話じゃない。
ただ彼に与えられるものを、名無しは欲しいだけなのだと……。
「それじゃあ連れてってやるとするか……ドロッドロになるまで抱いてやるよ……」