rain of teardrop【黒バス/ジャバ】
第22章 unesiness
「んん……っ、や…ら……」
扉に追いつめていた名無しの首筋をなぞりながら、シルバーはそこに厚い唇をじっとりと宛がった。
まるで喰うように開口し、痛みが生じないように歯を立てる。
ぞくぞくとしたのだろう、皮膚にはすぐに鳥肌が浮かび、けれど同時に感じていることがすぐに見抜けるほどの赤ら顔を名無しは露わにした。
シルバーが見たかったのは彼女のそんな表情ではあるものの、やはり笑みが零されないことには、どうにも不服なようだった。
その不服を払拭するかの如く、甘い肌に結局舌を伸ばす。
何度も名無しの耳や首筋を舐め上げると、触れていることへの満足感を少しずつ得た実感を持ち、彼は言動をよりエスカレートさせていった。
「あ……ッ」
「はぁ……、ンー……」
「お願……まだ…」
「うるせえよ……ン」
「!ひ……こ、此処で…?!」
「何処でだっていいんだよ……オレはさっさとおまえに入りてえだけだからな」
「……ッ」
まだ上肢を攻められていただけなのに、シルバーの勢いの激しさをよく物語るよう、うるさく響いていた扉の音。
名無しが圧に耐えられず、そこへ何度も肩や背をぶつけていたのが原因だ。
襟の繊維が伸びることも厭わずに手を忍ばされ、張った首筋にじっとりと舌が這う描写は卑猥そのもの。
乱暴に服のなかの下着を捲し上げられれば胸が零れて、房を掴まれれば当然揉みしだかれた。
「っ……」
指先で乳首を弾かれ、よもや感じざるを得ない名無しは、シルバーが寝室まで我慢できなかったことを悟りつつも、つい彼が正気かどうかを口にした。
解りきっていた返答に言葉を失くし、めくられたスカートのなかで内腿に這った、彼の掌のなまあたたかさに悪寒を感じる。
次の言葉の為に開口しようとするも、間もなくして名無しの片足は地から離された。