rain of teardrop【黒バス/ジャバ】
第22章 unesiness
仲の良い友人と遊んでいる時だけは、共有する話題や、友人の言葉に救われている気がした。
だから嫌なことがあっても笑えたし、その笑みに偽りもなかったと自然と思える。
思えるのだけれど……。
「……」
笑顔を見せていた直後にそれがフッと掻き消えることなど、きっと普通ならありえない。
地獄への入り口にでも招かれた気持ちになって、それがただの地獄じゃなかったことが、いつまでも名無しの言動に矛盾を起こさせる。
苦行に混ざる快楽が、いつだって彼女の心を掻乱する。
「ほーら……入れよ」
「……ん…!!ン…ッ」
楽しかった……ほんの少し前までは。
穏やかでなくなる時間が思わぬ形で早まって、それだけで不安定になる情緒は、名無しの顔から完全に笑顔を失わせていた。