rain of teardrop【黒バス/ジャバ】
第21章 the end of thought
「なあ……さっきの。首輪でも付けてやるっつってた話な…?」
「!……や…、待って……だめ、…!だめ……開いてな…」
「簡単じゃねえか……開いてねえなら開けりゃあいいんだからな…。ほーら力抜けや」
「ひ……ぃ、や…!ア……ッ」
齎されるものが、直接悲劇に繋がることばかりで頭が痛くなる。
そのなかに自分が求める享楽が含まれているのは、なんとも皮肉な話だ。
名無しはシルバーにピアスを奪われると、背筋をゾッとさせ、僅かに奥歯をかたかたと震わせた。
もう何度も見せてきた困り顔には、動揺も同情もされやしない。
シルバーは後退りしようとした名無しを捕らえると、その身をうつ伏せさせ、上から頭を押さえつけた。
「嫌……!…ッ、やだ……」
「あー…おい、ジッとしてろや……一瞬だぜ?なーにも今からケツを犯るってわけじゃねえんだ」
「ッ!!ひ……」
髪を掻き分けながら露わにさせた、彼女の耳がシルバーの目に映る。
外側のふちに厚い唇が触れ、そこで漏らされる声には寒気しか感じなかった。
冗談じゃない……。
正気とは思えなかったシルバーの言動に必死にもがくも、変わらず無意味に終わり、集ったのはもどかしさばかり。
白く、やわらかな耳たぶに宛がわれたのが彼のピアスならば、名無しはそこで唇を弱弱しく噛み締めることしかできないまま、ただひたすら涙目になってみせた。