rain of teardrop【黒バス/ジャバ】
第20章 in the maze
「ね……なんで…ッや、……こんな…んんっ」
「イヤならやめちまうか?なーにが不満なんだかなァ…んー?……!」
「だから……、…ッん……――」
たとえば、名無しを突き落とした先が、自分の欲望が渦巻くとても深い沼の奥底だとしたら、彼女が這い上がれる方法はひとつだろうとシルバーは思う。
自分に依存し、更には愛情のひとつでも持ってくれているのならば……。
或いは自ら手を伸ばし、救い出してやらなくもなかった。
けれど名無しは救い出されることよりも、自分から更に深部へと落ちてゆくことを既に選んでいた。
限度を越えた焦れに、理性が残りつつも屈服してしまった悔しさ。
頭では分かっているのに、彼女の身体はどうしようもなく言うことを訊かなかった。
「んん……ちゅ…ッ」
稀有にしか伸ばさない、回さない。
そんな形容に相応しい所作。
細腕がシルバーの首元に向かうと、名無しはベッドから背を浮かし、彼にしがみついた。
縋って縋って、自分でも気がふれたのではないかと思わんばかりに交わしたキスは、最初から舌を咥内に割り込んだ。
自分から小さなそれを一生懸命伸ばし、シルバーの同じ部位と絡み合うように動かしながら、乳房もわざと彼の胸板に押し当てる。
本当に、全身の火照りでどうにかなりそうだった。