rain of teardrop【黒バス/ジャバ】
第20章 in the maze
「ン……」
擽られ続ける内腿に、ピンとなるつま先。
からかいを零す分厚い唇はいつしか、名無しの白い肌にゆるやかなキスの雨を降らせていた。
それは、シルバーからみても意外でしかない愛撫の仕方だ。
突き落とす為の手段として、なおも刺激の弱い所作しかとらず、愛撫によって感じさせる焦れへの、すべては布石。
剥ぎ取られたブラジャーさえも床に落ち、乳腺をなぞり、触れるだけのキスを続けていると、名無しは喉元より自然と声を上げていた。
「んっ…ん……ッ」
「ハァ……、ン――」
「ッ…や、……っね…、なん……、も…」
「……なんだ、言えよ」
「…焦らさないで……――も、…なめ……」
心中での高笑いに、一層ボリュームが上がる。
赤ら顔で懇願する我慢弱さ……それもまだ、ただの前戯に。
その状態でシルバーが見る名無しの表情は、とんでもなく艶やかで、卑猥さといったらなかった。
それはどこか投げやりともまた違う、吹っ切れた感じのする、心身疲れながらもリラックスしているとでも喩えるべきか。
名無しの頭のなかが色めき立った妄想に侵され、それを強く求めているように感じたシルバーは、彼女の望む自身の長い舌を咥内から出し、それを見せた。
「…ッ……」
「ハ……なんだァ?この舌でどうして欲しいって?んー…?」
「ひゃ……ぅ…」
「いつもちゃーんと言えてんだろ?なら今も言えるよな?ほーらお利口チャン……」
「ッ…な……、舐めて…ください…」
「フッ……だから何処をだよ」
「――……ッ、いっ……」
「ん……?」
「ッ……いっぱい…」
「、……っ」