rain of teardrop【黒バス/ジャバ】
第20章 in the maze
「……ッ…は…ぅ…」
「フッ…はは……おまえ…今なんつった?」
「っ……!んん…ちゅ…ハァ……」
「意味わかってんのか?ココに……自分から、首輪のひとつでも付けてくださいっつってんだぜ?おまえは」
「ッ…つ…――」
「あァ?」
「付……、いい…それで済むなら…、だからもう誰も……!!んん…」
自分でも、何を口にしているか分からなくなった。
多分、なかなか大胆な発言でも返してしまったのだろう……シルバーの鋭い視線が丸みがかっていたゆえに、弱った頭でも自然と理解できた。
それが誘導された結果つい紡いでしまった言葉にしろ、名無しは、自身の心拍数が上がっていても、本音を吐露している所為か妙に落ち着いている。
その大きな手で軽く握られた首筋にかかる苦しささえ、心地好いとさえ感じた。
本当にもう戻れない……。
純情で、目の前の男を憎悪していた、過去の自分には――。