rain of teardrop【黒バス/ジャバ】
第20章 in the maze
「顔向けろや……ん…」
「んん!ン……ちゅッ……ぁ…退い……あッ」
「おいおい……下着、もう濡れちまってねえか?んー?」
「ッ……ひぁ…!」
「心配すんなよ……ほーら…当たってんだろうが。もう勃ってんだよこっちは」
名無しは迫られた廊下で耳と首筋に軽い愛撫を受けると、その場でシルバーに抱きかかえられ、身体の自由を失った。
シルバーが向かったのは当然寝室……ベッドだ。
今いちばん目にしたくなかった家具を視界に捉え、名無しは彼の腕の中で慌てふためき、身を揺さぶって少々暴れてみせた。
シルバーは名無しに構わず、ベッドの上に彼女をうつ伏せの状態で下ろすと、ローブ姿のまま覆い被さって、キスを求め顔を近付ける。
顔を振り向かせ、奪った唇から舌を出して深い口吸いを交わせば、激しい水音がしばらく寝室に響いていた。
「あ…ァ…ッん!いや……こんな…」
「他の女とついさっきまでヤッてた場所なんて……か?」
「ッ……」
「!ハハ……いいな…そんな妬いてんのか…おまえとヤるためにさっさと帰したってのによ。ちょっとは喜べや」
「いや…いや!」
「……さーて……どうしてやろうか…――ン……」
「っ…や、……ッん」
うつ伏せに押し倒された名無しの上に居たシルバーは、自身が退く筈もない空気を漂わせ、彼女の背に手を伸ばした。
白いうなじの傍、大きくて骨太の指が摘まむのは小さなファスナーホック。
着ていたワンピースを脱がせるために、下ろす必要があったものだ。
ジジ…とゆっくり音を立て下ろされ、広がる肌色にシルバーはわざと鼻息を荒らげる。
背中を見下ろしただけで、記憶のない色柄の下着が目に映り、名無しを仰向けにさせる瞬間が一段と楽しみになった。
「ッ…」
抵抗して時折映える、名無しの肩甲骨のラインに欲を掻き立てられる。
背中からうなじに舌をねっとりと這わせると、びくびくと震えながら、名無しはシルバーの愛撫に感じていた。