rain of teardrop【黒バス/ジャバ】
第2章 rain of teardrop-2
「、・・っ・・・?!」
抜けるどころか、増えるばかりの倦怠感。
そこに新たに処理しなければならない情報が舞い降りて、名無しの頭を覆い尽くす。
外側から開けられたドアは一瞬、去った筈のシルバーの連れがまた戻ってきたのではと彼女に思わせた。
けれど事実は違った。
短いため息を吐きながら車内に入ってきたのは、名無しが見ていた二人の男の、どちらでもなかった。
「――ハァ・・・ああ、久々にハズレ引いちまったよ・・。クソが」
「ハッハ・・・!なんっだそりゃ・・・ハズレ引いちまったのか?珍しいなぁおい・・」
「まあな・・・しつけえ女だったぜ・・こっちは遊びだっつってんだよ。そういや途中であいつらとすれ違ったが・・・あのバカ共、緩みきった面して歩きやがって、余計イラついたぜ」
組み敷かれたまま、繋ぎ止められたままの身体をどうにかしたいと思った矢先だった。
ドアが開いた瞬間に名無しは反射的に首を振り、自分の髪が、自らの横顔に被さる様に頭を背けた。
首を動かせたのはシルバーが上半身を起こしていたからなのだけれど、そのシルバーはというと、時々腰を突きながら、到着した男に向かって声をかけていた。
顔を背けた名無しに聞こえた男の声もまた、シルバー同様に低く、そして冷徹にそれを吐き捨てている。