rain of teardrop【黒バス/ジャバ】
第20章 in the maze
「なあ……黙るなよ。おまえ惚れてるよなァ?シルバーに……とっくの昔に」
「変なこと言……ないで…。ヒトのこと無理やり…そんな綺麗事」
「じゃあ今からでも混ざって抱かれて来いよ。おまえが此処に居るのはその為だろう?なにヤラれねえまま帰ろうとしてやがる」
「……―――や…、それだけは……ぜったい、いや…」
「っ………」
名無しは心底ナッシュを恨んだ。
鋭い視線はひややかで、まるでモノでも見ているかのようなそれ。
胸がつかえていた理由も、自分が持っていた感情も、自覚してしまってひた隠していた気持ちも。
いとも簡単に踏み入って暴いてくる……土足で心を荒らす、こんな嫌な男――。
煽る素振りに慣れが滲んで見えることがまた腹立たしかった。