rain of teardrop【黒バス/ジャバ】
第19章 Villain or Ghost?
「……ぜったい…」
「?」
「……ッ…、うぅ…」
「あーあー…だから分かったっつってるだろうが……」
新たな一面を垣間見ることができたというよりは、弱みを握ったと喩える方が正解だろう。
名無しの不得手を掴み、またひとつ、自分へ嵌り、逃れられないように仕向けるカードを増やす。
彼女がとうに落ちていても、まだ未到達である領域をも着実に侵す為に……。
筆のように束ねた、濡れた毛先を指に絡ませ、シルバーは名無しのそれをじっとりと舐めた。
微笑の裏に隠した黒い欲望を胸のうち、三度び勃起していた熱を冷ますべく謳った誘い文句。
乗るしかなかった名無しの頷き顔は、ただただいやらしく紅潮していた。
Villain or Ghost?
20180913UP.