rain of teardrop【黒バス/ジャバ】
第19章 Villain or Ghost?
「……ほらよ…何もいねえだろうが…当たりまえだけどな!」
「っ……!!あ…」
「…ッ……ハァ…」
その後、シルバーは名無しを両腕に抱き留めたまま浴室の扉を開けると、自らもそこへ足を踏み入れた。
いつもなら頑なに一人でシャワーを浴びる癖に……まったく都合の良い状況である。
映画の中には確かにシャワーシーンがあり、名無しはどうしてもそこでひとりになるのが怖かったのだろう。
シルバーは怯え切った彼女の背に、バルブを捻って出した湯を掛けてやると、自分のまるで優しい行いをする一面に笑いを漏らした。
が、当の名無しはいつまでも眉を顰め、居るはずのないものに慄き続けている。
そのか弱さは、やがてシルバーの事後、再燃した情欲をとくと煽った。