rain of teardrop【黒バス/ジャバ】
第19章 Villain or Ghost?
「……」
「名無し?」
「ひ……ッ」
「?!」
心以外、というのが前提としてあったけれど、名無しがシルバーに落ちてしまっていたのは、簡潔に言ってしまえばシルバーとのセックスが原因だ。
脳が快感と認識するものたちすべてを与えられ、それさえ得られれば、全身は歓喜に満ち、疲れも感じることはなかった。
だから、ベッドの中では従順に振舞っていた。
勿論、心は笑っていなかったし、強要される行為も山のようにある。
なんと矛盾に溢れかえったことか…おかげで関係は、本当に一方的なもの。
シルバーが名無しを可愛がるだけの図式が続いているのだ。
「う……」
ろくな会話も成り立たず、名無しの返事や言葉ひとつをとっても実に素っ気ない。
それでいて喘ぎ声だけは及第点以上で、ここぞとばかりに感じている音色を上げシルバーを悦ばせる。
「……」
呼び出されていたこの日。
名無しがシルバーに激しく身体を揺さぶられ、その身を快楽の海に沈められた直後のこと…。
そのときのシルバーは、事後の気まずさゆえ、逃げる様にしてベッドから洗面所へと駆ける彼女の姿を、いつものように目にするだろうと思っていた。
――。
―――。