rain of teardrop【黒バス/ジャバ】
第19章 Villain or Ghost?
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月日が経っても、名無しがシルバーに心を委ねることは一度たりともなかった。
ただ、彼にしつけられてしまった結果、身体はどうしてもその身を欲さんとばかりに夜毎疼いていた。
不定期に顔をあわせれば背徳感が募り、部屋に訪れて犯される度に、罪悪感が名無しを襲う。
けれど同時にそれらを掻き消していたのが、シルバーからの歪み切った寵愛だったのだから、所謂こんなことは無限の地獄か何かだろう。
初めて強姦され、弱みを握られて関係を続けさせられ、一時は偶発的に解放されたこともあった。
音信不通になったことでそのまま逃げることも可能だったというのに、最後には自らシルバーを求めてしまい、また見えない縄で自分自身を縛りつけている。
相変わらず強引な行為も多かったし、嫌だと本気で叫んでも、当然聞く耳など持ちあわせない男だ。
それでもシルバーの身体に組み敷かれなければ満たされない気持ちがあったから、嫌悪を含みながらも、名無しは都合が合えば彼の部屋を訪れた。
何物にも喩え難い、浴びせられる快楽の後に来る虚無を何度と味わっていても、名無しから関係を断つということはもう出来ないでいた。