rain of teardrop【黒バス/ジャバ】
第19章 Villain or Ghost?
シルバーの部屋、寝室のベッドに掛けられていたシーツの色は、黒を基調とするものばかりが揃っていた。
まあ男なのだから、その殆どが、地味なりシックなりを思わせて当然ではあったのだが。
「ッ――…ハァ……」
「……」
「……?おい…なんだどうしたよ……?」
「……」
その暗いシーツの上、凝らさずとも肉眼で確認できたのは二種類の髪。
短い方が、銀色をしたシルバーのもの。
そして長い方が、明るさの目立つしなやかな質を持つ、名無しのものだった。
二人の髪はそれぞれ重なる様に落ちており、当の本人たちもまた、同じベッドの上で肌を重ねていた。
ただし、神経の通わない髪と同じように無機質に……。
少なくとも名無しだけは、それを強いられている状況を変えられぬまま、彼の腕に抱かれ続けていた。
「いつもなら風呂場に飛んでくじゃねえか…どうした今日は……?腰でも砕けちまったか?」
「っ……ふ…」
「?……ぁア?おい……」
汗の滲んだシーツは、ところどころ濃く変色していた。
元の色味に混ざって、広く、多く、疎らに…それはそれは行為の激しさをよく物語っている、なんていうのもいつものこと――。
―――。
――。