• テキストサイズ

rain of teardrop【黒バス/ジャバ】

第18章 teardrop after Ⅶ



名無しは唇を離され、自分を見下ろしていたシルバーの視線が床に移ったことに対し、少し悋気を覚えた。
こんなことはあっていいわけもない・・・筈なのに、胸にもやもやとした気持ちが孕んだ事実をもみ消すことが出来ず、ひとり眉を顰めた。

電話を鳴らした相手は一体誰か・・・そもそも着信か、メールか、ただの何かの通知音か。

どのみち、事後と呼ぶべき現状に携帯が存在感を露わにしたことは、我に返る分には幸いではあった。
けれどそこで現実に呼び戻された気がして、不幸と呼ぶことにも何ら違和感はなかった。

撫でられていた頭からも大きな手は離れ、シルバーのそれが床に伸びた瞬間、名無しはいよいよ自身の血迷いぶりを大きく自覚する。




「――・・・出るなって?おい・・・」


「っ・・・」




携帯を拾おうとしたシルバーの手に手を伸ばし、揚句それを奪い取るなど――。

こんな大胆な・・・自分がしていたことに、名無し本人も驚いて当然だった。

そしてシルバーもまた驚かずにはいられず、彼女の手から携帯を奪い返すことを、一瞬失念していた。



/ 428ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp