rain of teardrop【黒バス/ジャバ】
第18章 teardrop after Ⅶ
名無しの身体を舐るシルバーはとても楽しそうだった。
久々に触れるその肌の質感に満たされんべく、はぁはぁと漏らす吐息はまるで獣そのものだ。
が、力なく形だけ抗う様子を見せる名無しは、そうやって彼に好いようにされているさなか、激しい愛撫がふと止んだゆえに思わずまばたきを繰り返す。
のちに細めた瞳でシルバーを窺うと、彼が視線を宛てていたのは自身の胸元一点だった。
「あ・・・ッ」
「赤くなってるぜ?なんだ・・・会ってた男に付けられたのかよ・・・何やらせてやがる・・・」
そこには名無しも気付くことのなかった、付けられたばかりの色付き跡――。
現状ノッてきた筈であろうシルバーの波長が少し狂い、表情に苛立ちが混ざっていたことを、名無しは彼の語気の強まりで感じていた。