rain of teardrop【黒バス/ジャバ】
第18章 teardrop after Ⅶ
「あの・・・」
「なあ・・・よく覚えてるだろう?・・・忘れたことはねえからな!」
「、・・・や・・んん!あ・・ぁ・・・ッ」
「オレ様が此処に居るって・・・?なら聞いただろうよ・・携帯がパーだぜ・・・ハハッ」
「・・・・・」
「また撮られに来てくれて嬉しいぜ名無し・・・ほら、舌出せよ・・」
押し倒されて、シルバーの顔が一気に近付いて、久しく感じた唇の触れ。
強引なところを相変わらず、と思う時点で自分は終わっている。
割られた唇の奥に進んだ彼の舌が、粘着質に口腔を攻め、息が苦しくなったところで一方的に言葉を交わされた。
自分の画像や動画は、共有されているとばかり思っていたけれど、どうやらそうでもなかったらしい。
もしも一時的に共有された時期があったとしても、他のメンバーにとって自分はただの使い捨て。
次の女が見つかれば、きっと上から保存され、消去されていたのだろう。
壊された携帯とデータの損失に、ひとり相当絶望していたらしいことは、シルバーとのキスとそこからの会話でよくわかった。
名無しはなるべくしてこの状況を迎えていた気がしてならず、ただ、まだ糸の細さほど残っていた純情でいたい自分と、内心折り合いを付けられずにいた。
ゆえに自ら会いに来ても、抵抗心は解けぬまま、ひたすら現状に矛盾を生んでいた。