rain of teardrop【黒バス/ジャバ】
第17章 teardrop afterⅥ
「――おいおいおい・・・マジかよ・・」
「・・・っ・・・・」
地上に出て、左右のどちらへ進んでも駅には行けた。
寄り道をするかしないかの違いだ。
右へ出れば暇を持て余している女が一人、別の店に居るという連絡が確か朝のうちに届いていた。
シルバーはそんなメールが来ていたことすら失念しており、部屋に帰って自らを慰めながら寝落ちるとするか・・・と、頭の弱い思考を今はただ募らせていた。
現状それはありえなかったけれど、実際抜くかどうかはさておき、彼の場合はつねに色めき立った脳内をしていたゆえの考えなのだろう。
性癖と欲望に忠実な身体を、本当の意味で鎮めてくれる癒しが手に入らない以上、眉間に寄った皺は深くなる一方だったけれど――。
「名無し・・・」
「・・ッ・・・」
「ハッ・・・おいおい・・夢かよ?!・・・オレは何処かで頭を打っちまったのか・・?!」
「・・・きん、いろの・・・髪の人に・・さっき偶然会って。・・・ここに行けば、居るって・・ッ――!!」