rain of teardrop【黒バス/ジャバ】
第17章 teardrop afterⅥ
「めんどくせえな・・・じゃあ、お言葉に甘えて俺が使うか」
退店を躊躇しないシルバーの不機嫌さは本物だった。
個室をいとも簡単に譲っていたのがその証だろう。
店を出た後の彼の動向など分かったものではなかったけれど、残ったメンバーにとって空いた個室が出来たというのは、即ち「良い時間」が好都合に訪れたということ。
順番待ちをする手間も省けたし、別の女に声をかけ、あとはその部屋に消えゆくのみだ。
このときチームメイトが抱いた疑問点は、名無しを忘れるために他の女でごまかしてきたシルバーが、今夜はそうしなかったということ。
今までならぶたれようが身体で制圧し、自らを慰めていた筈だ。
その彼が女一人犯さず、不機嫌を理由に店をあとにするなど、もうその方法では限界がきていたということを示すようなものだった。