rain of teardrop【黒バス/ジャバ】
第16章 teardrop afterⅤ
「・・・・・」
「・・・おい、今から言う場所に行け。・・・嫌だっつっても、おまえは行く・・・絶対な」
「・・なに・・言われたって、私は行・・・」
「ちょうどいいじゃねえか。男受けする服と匂い・・・下着だってそうだろう?シルバーに飛び付かれる未来が余裕で見えるぜ・・ハッ」
「・・・ッ」
「気になってんだろう?そうじゃなかったらこんなところで一人立ち尽くしてねえよなァ?そろそろ身体が恋しがってんだろうが」
「っ・・・」
「電話より早えよ・・・おまえも、せいぜい今日の憂さ晴らしでもしてこい。場所は――」
ナッシュの言っていることはまるでわけがわからなかった。
頭では理解できる言葉たちだ。
けれどその理解をすることを拒むかのように、名無しは表情を歪め、汗を滲ませ、軽く動悸さえ起こしていた。
意地の悪い、彼の口が零すそれを受け入れてしまえば、きっと自分で自分を認めることになってしまう。
「・・・・っ」
もう手遅れだったことなど、何度問うても身体は知っている・・・。
忘れるために他の男と会っていたって、いくら愛でられども濡れなかったのだから。
だとしても――。