rain of teardrop【黒バス/ジャバ】
第16章 teardrop afterⅤ
「探せば一件くらい残ってんだろ?かけてやれよ・・・泣いて喜ぶんじゃねえか?ハハ・・・ッ」
「・・・」
肩を抱いていた女のそれから腕を退け、一歩名無しに近付く。
するとナッシュは、今度は名無しの腕を強引にとった。
関係を持った瞬間がよぎり、改めて怯んだ彼女の脅え顔を見下ろし口角を上げる。
ナッシュは、そこで宙に舞った女物特有の、甘ったるい香水の香りを感じていた。
こんなに分かりやすい付け方、まるで男と会っていたことを確定させるような・・・。
そして同時に思ったこと――。
名無しが一人で居たのは相手に捨てられたのではなく、彼女が、自ら一人を選んでいたということだった。
「まあ、履歴が残ってたっておまえには無理か・・・自分から犯してくれなんて頼む女なんざ、正真正銘ただのビッチだ」
「っ・・・」