rain of teardrop【黒バス/ジャバ】
第16章 teardrop afterⅤ
「・・・・」
「!おい・・・待てよ」
「話すことなんて・・・帰・・」
「チッ・・・」
数奇すぎる・・・どんな巡り合わせだったものかと、ひとり眉を顰める。
正気ではいられた。
けれどナッシュの姿を見た瞬間、名無しが怯んだのは事実だ。
過去されてきたことを思えば、普通ならば身動きすらとれないのかもしれない・・・。
辱められ、好き放題をされ、遊ばれていれば当然なのだろう。
が、それでも不思議と奥歯は震えなかった。
それどころか、偶然ナッシュと会ったことは、彼女が心の奥底で望むべきものの近道になりうるかもしれない・・・。
そんな可能性があったことをよぎらせる自分の思考が、名無しはただ怖かった。
「待て・・。・・・おまえ、シルバーに会ってねえだろ」
「ッ・・・」