rain of teardrop【黒バス/ジャバ】
第15章 teardrop after Ⅳ
「ん・・・っ」
「・・・感じて・・くれてるのかな・・・声、かわいい」
「っ・・・」
彼はバーを一気に引き、名無しの席を傾倒させると、疑似的でも寝た状態を無理やり作り上げた。
当然そうなれば、ただ上半身を曲げているだけでは彼が済まなかった。
その身を乗りだし、覆い被さる様に足を広げ、再び今度はいやらしげなキスを浴びせる。
車内に響く水音は、何度も何度も舌を絡ませ合っていた証。
漏れた吐息にも彼は欲情したのか、名無しの頭をくい、と動かし、そのまま耳たぶや首筋にも舌を宛がった。
「ん・・・」
「ごめんね・・・部屋まで待てなくて。でも・・・本当に少しだけ・・」
「・・・ッ、・・・!やっ・・」
すっかり暗い夜道。
路肩とはいえ、人がいないわけじゃなかった。
まあ、軽く触れ合いたかったのだろう・・・彼の言動を窺っていれば、それは名無しにも理解できたし、何より強引さも微塵もなかった。
もしも今無理やりされていたとしても、名無しにとってこの程度、無理やりの部類にも入ったものではなかったのだから。