rain of teardrop【黒バス/ジャバ】
第15章 teardrop after Ⅳ
―――。
――。
「・・・・」
最後に顔をあわせてから、今は十日ほどが過ぎようとしていた。
急に呼び出されなくなった途端に会いたくなる、恋しくなる・・・なんていうのは相手を好いている時だけだ。
名無しはまたいつ呼び出されるか、その二週間近くのあいだじゅう、日々冷や冷やとしながら毎日を過ごしていた。
そしてそんな怯えた日を少しでもどうにかしたくて、螺子が取れ、狂った身体と心で決めたのは、文字通り狂ったような言動だった。
こんな自分は自分じゃない。
いちばん分かっていたのは他ならぬ名無し本人だったけれど、もうどうにでもなれと思う以外に、彼女は物事自体をうまく考えられなくなっていた。
「送るよ」
「・・・ん・・」
身体に残され、残っていた記憶を消すことが自力でできないのなら、誰かに頼るしかないと思った。
友人や伝を利用して作ってもらった機会を有効的に過ごし、少しずつではあったけれど浅くない仲へと運んだ相手がひとり・・・。
ただのお友達レベルだ・・・強姦されども、別に異性に恐怖心を持っているわけではなかったから、食事の一度や二度、出来なくはなかったのが今の名無しだった。
もっとも、強姦されていて異性に恐怖心を持たないあたりが、まず自分がよく狂っていた何よりの証なのだろう・・・。
「・・・・」
その日は夜、食事にでも行こうと誘われて、素直に首を縦に振っていた。
そして食後に店を出たときに、家まで送ると言われて向かった先で、彼女が初めて気付いたことがあった。