rain of teardrop【黒バス/ジャバ】
第13章 teardrop afterⅢ
「は、・・・あ・・ッ、ン・・・く・・」
「ハァ・・・、カワイイな・・そんなカオしたって解いてやらねえよ」
「っ・・・、あ・・!」
「なんだ・・・もう効いてきたのかァ?さっきより熱いぜ?」
「いや・・・、嫌・・」
その日の名無しは、ベッドへ押し倒されるとすぐ、シルバーに頭上で両腕を奪われていた。
彼が枕元に片手を伸ばしたと思った次の瞬間には、その手中に持たれていたのが、今は既に彼女を縛っていた錠だった。
名無しはそれを目にした途端血の気がサッと引いてゆくのを感じ、必死になって腕に力を込め抗ってみせた。
けれど、言わずもがなそれらの行為は無意味に終わり、呆気なく拘束されたのが彼女に起きていた現実だ。
「あ・・・」
シルバーが用意していた錠には更に紐が伸びており、いかにも行為の際使われる玩具の類だと、ひと目で分かるものだった。
どうせ他の女を縛ったこともあるのだろう・・・思えば慣れた手つきだったし、使い回されているのも想像に容易かった。
錠の鎖に付属していた紐は、元々ヘッドボードに通され固く結ばれており、シルバーが名無しを押さえつける必要がない理由がそこで繋がる。
名無しは部屋に通されたとき、いつもベッドを見ないようにしていた。
だからすぐに、ヘッドボードに紐が通っていた異変に気付くことが出来ず、眉を顰め悔しがった。