rain of teardrop【黒バス/ジャバ】
第12章 teardrop afterⅡ-5
「ふ・・・ッ」
そんな名無しに対し、シルバーが当然抱くのは歪んだ愛情だ。
シルバーはナッシュが帰ったあと、元々はすぐさま、名無しを再び抱くつもりで身を昂ぶらせていた。
が、涙で頬を濡らすそのか弱い表情を見るや否や、彼は他にするべきこともあるなという、別の考えに至っていた。
「・・・・」
赤い顔をして泣きじゃくる姿には当然そそられる。
とはいえ、乱れた髪に疎らに散っていた、抱かれた痕跡がなんとなく気になった。
勿論それはシルバーが自ら吐き出したものだったけれど、考えてもみれば、名無しの下半身は酷く穢れている。
もとよりその身体は自分のほかに、ナッシュも好きに遊んでいたのだから。
狂った性癖があるのにもかかわらず、結局自分以外に名無しに触れる男が居たことが、シルバーは引っ掛かっていた。
もっとも何故彼がすぐに名無しを抱かず、無意識に一考する時間を持ち、何にむしゃくしゃしていたか。
このときはまだ、それを理解することはなかったのだけれど・・・。
「・・チッ・・・、ほらよ」
このまま行為を続けてどこまで穢れるかを試すよりもまず、名無しの身体をリセットさせたい。
そう感じたことも勿論、自己理解には遠かった。
少しばかり優しさを覗かせて彼女の気持ちを掻き回してやろう・・・。
最後にシルバーが選んだのは、どのみちそこには野蛮の文字が付いて回るような、実に非道な自らの行いだった。