rain of teardrop【黒バス/ジャバ】
第11章 teardrop afterⅡ-4
「おい・・・」
「真に受けんなよ・・・冗談だ、シルバー。・・・オレはおかしくてしょうがねえんだよ・・・あんまりおまえが、コイツに本気でな」
「よく言うぜ・・・で?結局用件はなんだったんだ」
「!ああ・・・、忘れてたぜ・・フッ。―――・・・」
欲を吐き出したあとのナッシュは、相変わらず事後の余韻を引き摺る節も見せず、実に淡々としていた。
ぜいぜいと苦しそうに息をする名無しの髪を少し手中につかみ、得意であろう文句を垂れるのみ。
その言葉のひとつひとつに名無しが警戒し、怯えることを知っているからこそ口にするのだ。
が、困り果て、本当にやめて欲しい・・・嘘でも冗談でも耳にしたくない。
そう思いながらも自身も果て、全身が刺激状態にあった今の彼女が、実は意外と満更でもないことを見抜こうと目を光らせる。
ナッシュは悪趣味にふざけながら歯を見せ笑うと、名無しとの繋がりを解き、自身の事後処理を始めた。
「なんだ・・・ンなことくれえ電話で済むじゃねえか・・・わざわざ会って言うことかァ?!」
「安心しろよ・・・オレが今日来たのは偶然だ。他人のオンナ一人寝取ることくらい簡単だが・・・コイツは別だ。言ったろ?おまえが本気なのは知ってるよ」
「ハァ・・・」
「フフッ・・・じゃあ、オレはもう帰るぜ」