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意のままに

第10章 日常~2~





「・・ん・・・悪い」

「い、いや・・・・」


起こしたか・・・・・


すぐに体を起こした秀吉は、眠たげな顔で眉間を揉んでいる。


まだ寝ぼけているな。想像以上に溜め込んでいるか・・・



心配に駆られ、自然と手が伸びていた。
顔を覗き込み、秀吉の頭をそうっと撫でる。

「秀吉、無理しすぎるな。」
「・・・っ」

眠たげな眼が見開かれるのを見て、我に返った。

っ・・・しまった。


秀吉の顔も、秀吉の頭に触れているなつの手も、硬直している。

「あー・・・っと、これは・・俺の、真似か?」
「そ・そうだな・・・・」
「そうか・・・・」

見つめあったまま、沈黙が落ちる。


なつは勢いに任せ、秀吉の眉間を指でツンとつついた。

「っ・・・何するんだよ。」
「さっきの仕返しだ。」
そう言ってなつは無理やり笑みを作る。
「・・・・・そ、そうか」

居心地悪そうに答え、秀吉は目元をかすかに染めている。


「・・・そろそろ、本当に暇する。」
「・・・・・おう。」

手を引いて立ち上がり、なつは秀吉の部屋を出た。



「はぁ・・・何をやってるんだか・・・」

そう、呟いたなつの元へ数羽の鳥たちが寄ってくる。
それを見た、なつは先ほどまでの感情を押しやり、早々に城へ戻った。





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