第17章 決戦2
呆ける信玄に構わず、なつは話を続ける。
「今回の件私が、信長様にお願いしてやろう。くにに帰り、王座に返り咲くことを。」
「・・・条件は?」
「ふふ、同盟と言うわけにはいかない。貴方は負けてるのだから。でも・・・私に下ると言う条件で同盟と変わらぬ扱いをしてもらえるよう取り計らおう。」
「おい!なつ!!勝手なことを!!」
話に割ろうとしたのは秀吉だ。
「うるさい。お前は黙ってろ。」
「なんだと?!」
「時間がないんだ。それで?どうする?まだ、遣りあうか?その腕で?」
秀吉を無視し、信玄に真剣な眼差しを向ける。
「・・・本当に、誰も殺さず、差し出さずに済むのか?」
「約束してやろう。」
即答した、なつに、信玄は暫しの間を置き、膝を就いた。
それに、満足そうに笑うなつが指示を出す。
「おい、信玄公の傷の手当てを。深くは切ってないが放って置けば化膿してしまうからな。」
その言葉に、武田の兵が動く。
手当てを終えた頃・・・
「信玄様!!その傷は!」
信長一行と現れた、幸村が叫んだ。
「信長様、全て予定通り、終わりました。」
そんな、幸村を無視してなつは信長の足元に跪いた。
「悧月、良くやった。後で褒美をやろう。」
「「「は?!!」」」
そのやり取りに、織田の武将たちは皆、一様に驚きの声を上げたのだった。