第10章 日常~2~
「はぁ・・・だが、お茶は私が入れる。本当に少し休め。それに少しは弱みも見せろ。頼られるほうが、私には丁度いい。」
秀吉「なつは変わってるな・・・。そんなこと言う女、初めて会った。」
「無理にとは言わん。」
「・・・・・いや、なつの気持ちは分かった。わかったから、この眉間のしわ、伸ばそうな。」
え?あ・・・・・・
人差し指と親指で、眉の間をみょーんと伸ばされる。
また、顔が崩れたか・・・
「クス・・・まさか笑みを作り切れないとはな。」
苦笑するなつに、
「おう、般若みたいだった。」
「そんなにか?」
「うーそ。怒った顔も可愛かった」
・・・・・っ
「じゃ、お言葉に甘えて少し休憩するかな。仮眠する。四つ半時たったら起こしてくれ。」
「・・・・・わかった。」
自身の気持ちと格闘しているなつをよそに、秀吉は壁際であぐらをかき目をつむった。
そんな秀吉の姿に、なつはお茶の用意をするため、一旦部屋を出る。
支度をして部屋へ戻ると、穏やかな寝息が聞こえてきた。
クス・・・どんなに表情を作ってもやはり疲れをため込んでいるみたいだな。
忍び足で側へ行き、隣に座って寝顔を盗み見る。
秀吉のたれ目、よく見れば二重か。今更だが、整った顔をしているな。あ、髪の毛サラサラ。肌はきれいだけど堅そうだ。耳の形もきれい。首はがっちりしてるな・・・・
寝顔を眺めているだけで、あっという間に時間が過ぎていく。
自覚があるとは言え、これ以上近づきすぎれば辛くなるだけだ。
帰還の時間が迫っていることを思い出し、秀吉の横に並び膝を抱え、ため息を吐く。
その時、ことん、と肩に重みが加わった。
?!!