第6章 走り出す運命
「秀吉の世話焼きは度を越えてるからな。」
「ああ、三成に餌付けしてることもあるみたいだしな。」
「餌付け?」
「あいつは良く食べることを忘れるんだ。んで、書物を読み漁ってんだが、その横で秀吉が三成の口に食事を運んでる。」
「・・・シュールだな。」
「しゅーる?」
呟いた言葉を光秀が拾う。
「気にするな。それで?そろそろ本題に「なついるか?」・・・どうぞ。」
なつが続きを促そうとしたところに、秀吉から声がかかった。
再び、ため息を吐いたなつに政宗も光秀もこれが日課なのだと察する。
「なんだ、お前たちもいたのか。」
「ああ、しかしあれだけ疑っていたくせに、毎日のように通っているらしいな。惚れたか?」
ニヤニヤと笑う光秀に秀吉は眉を顰める。
「妙な言い方をするな。俺はただ、こいつが三成以上に酷いからだな。」
「何がだ?」
「こいつ、朝餉も昼餉も食べないことが多いんだよ。」
「それは良くねえな。何か理由があるのか?」
「お腹が空いた時に食べるようにしてるだけだ。」
「はぁ、まさかなつまで味覚音痴とか言わないよな?」
政宗が呆れたように頭を掻く。