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意のままに

第4章 真実と現実 ~秀吉side~





天守の襖を目の前に、俺は中にいるだろう信長様に声を掛ける。


「お館様、少しよろし「信長、入るぞ。」」

そんな俺の声を遮り、なつが声を掛ける。
「なつか。入れ。」

その声に、信長様から返答があり、なつはさっさと襖を開け、中へ踏み込む。

その姿に、俺は一瞬呆気にとられた。
しかし、直ぐに我に返り、慌てて中へと入る。


「お前は!!」
「秀吉、良い。」
「しかし!」
「構わん。それよりも、面白い面子だな?どうした?」

信長様がニヤリと笑いながら、手にしていた巻物を置く。


「ええっと、信長様にお届けするようにと頼まれて持ってきました。」
蜜姫がおずおずと持っていたものを差し出す。

「ほう、羽織か。」
俺は、蜜姫と羽織を広げる。
「なかなかの染め物だな。」

「そうですね。お館様に似合うかと。」
見事な染め物に感心しながら、信長様は口角を上げ、羽織ろうとした所をなつが信長様の手首を掴み阻止した。

「お前は、また!!」
「止めたほうがいい。」
声を荒げた俺に、口元の笑みを消し、なつが答えた。



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