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意のままに

第17章 決戦2





「左翼、後方に気を持っていかれるな!!目の前の敵に集中しろ!!」

「「「はっ!!」」」

開戦し、何とか、倍以上いる武田軍とやり合えるのは、目前のみに集中できるからだと、秀吉は痛感する。



「・・・どうなってる?そろそろ頃合いのはずだが・・・」
「信玄様、どうやら後方に回った部隊は全滅のようです。」
呟いた信玄に、偵察に回った佐助が回答した。

「なんだと?!」
「どうやら、織田軍が紛れ込んでいたようです。」
「・・・わかった。報告ご苦労。」

信玄は唇を噛み締め、馬に飛び乗り、秀吉の元を目指す。


「出てきたか・・・」
「どうやら、やってくれたようだな。」
「?何のことだ?」
「いつまで、惚けていられるか、豊臣秀吉、ここで散れ!!」

そう言い放つと、信玄は秀吉に斬りかかる。
負けじと秀吉も応戦。

周りも激しい殺り合いが続く。
そんな光景を、戻ってきたなつは笑いながら見やる。

「これは・・・」
「フフ、私の思惑通りだ。幸村。」
「・・・何でしょう?」
「赤備えの部隊一つ、私の言うことを聞く者たちを置いていけ。」
「は?」
「今回、武田の部隊で裏に回った者たちがいるはずだ。そいつらは今、寝扱けているだろうから、そいつらを回収しろ。」
「なっ!!」

「多分、信長たちも来ているだろうからな。言伝も持っていけ。」
幸村は、なつの思考回路についていけず、返事をすることを躊躇う。

「安心しろ。すべては丸く収めるためだ。信長には、悧月から、予定通り。後、四半刻ほどで全ての片を付ける。と伝えろ。」
「御意。」

幸村は、側近の部隊をなつの元に残しなつの指示通り、後方へ向かった。


「それで・・・なつ・・様。我々は何を?」

「何、私が信玄の相手をする間、武田の兵を止めてくれればそれでいい。お前たちも、味方を無駄死にさせたくはないだろう?」
「なつ様。」
「ああ、貴方たちは我が軍の足止めと出来ることならけが人の手当ても始めろ。」
「御意。くれぐれもご無事で。」

「フフ、分かってる。さあ、最終戦だ。」

ニヤリと嗤うなつの姿に、周りの兵たちは寒気を覚えるのだった。




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