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意のままに

第16章 衝突





なつが兵たちに告げると、秀吉の腕を掴み、耳元に唇を寄せる。

「いいか?1刻だ。それで援軍が来る。」
「・・・これか、信長様の狙いは。」
「それだけじゃないがな。いいか?後方からの向こうの不意打ちは潰してある。数は圧倒的に不利だが、前に集中して耐え凌げ。」

秀吉に、そう告げると、なつは再び、声を上げる。

「今回、信長の命を受けている兵たちはついて来い!!」
「「「はっ!」」」
「おい!!どういうことだ!?」

「詳しく話す暇はない。真田幸村!上杉謙信!!」
「なんだ?」
「遊びたいんだろう?ならばついて来い!!」

そう叫び、なつは馬を前線から離すように駆け出した。

「謙信様、どうします?」
「くだらん。」
「ですが、あちらは上杉の部隊がいます。それに、なつさんについていったのは、織田信長が選りすぐっている先鋭部隊ですよ。」
「・・・」
佐助の言葉を聞き、謙信は無言で馬を操る。
「幸村、お前も行け。」
「ですが。」
「いやな予感がする。俺に構うな。」
「わかりました。くれぐれもご無事で。」
一礼すると、雪村の率いる赤備えも謙信をおい、最前戦を離れた。


「さて、豊臣秀吉、お前に恨みはないが、ここで散れ!」
「勝利するのは、我が織田軍だ!全軍、後方には気を配る必要はない!!前の敵を攻め落とせ!!」



ったく!!なつのやつ!!終わったらすべて吐いてもらうからな。


秀吉は心の中で呟き、信玄を見据えた。




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