第14章 決戦
籠に入れて運ぶのかと思われたが、急いでいるのか男が気絶したなつを抱え、かなりの速度で進んでいく。
思ったよりも、焦っているな。
まぁ、あまり時間を掛けられるよりはマシか。
信長、くれぐれも、巧く動け。
なつは色々なことを考えながら、大人しく運ばれていった。
一方、織田軍。
「光秀様!!」
「どうした?」
「なつ様が、武田の忍びに攫われました。」
「!?それは本当か?」
「はい、偶然にもこの目で。助けに入る間もなく、複数の三つ者が紛れ込んでいたと思われます。」
膝を就き、報告している斥候は、別の偵察から帰ってくるときに偶然その場を目撃したのだ。
助けるか、報告かでなつの命が直ぐに取られることはないと判断し、報告を選んだ。
「信長様のところに行く。秀吉にも来るよう伝えろ。」
「はっ。」
光秀は険しい顔で、安土城に向かった。
「信長様。」
「光秀か。入れ。」
「おい!!光秀!!」
そこへ、秀吉も姿を見せる。
「秀吉に三成、早いな。話は中でだ。」
「ああ。お館様、失礼致します。」
3人がそろって中へ入れば、政宗と家康もいた。
「お前らもいたのか。」
「おう、勢ぞろいだな。どうしたんだ?」
「なつが武田に捉えられたようだ。」
「「「え?!」」」
光秀の言葉に、信長以外が驚きと怒りの表情を浮かべた。