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意のままに

第13章 思惑2





「して、光秀。報告を聞こう。」

半刻もしないうちに、各武将をはじめ、光秀に疑惑を抱く家臣たちが一堂に集まっていた。
そんな中に、蜜姫はいたが、なつの姿はなかった。

「はっ。まず、七里の言葉ですが、それは真実です。」

家臣たち「「「!!」」」

「静まれ!」

「七里が、今回の黒幕である顕如の組織の末端だと突き止め、探るため密書など交わしていたのは事実です。」
「して、収穫は。」
「----の山奥の古寺に身を顰め、そこを拠点としているところまでは掴めました。おそらく、これから始まるであろう大戦での漁夫の利を狙うつもりでしょう。」
「なるほど。大儀であった。」
「恐れ多い言葉です。」

「家康、三成、貴様らは引き続き、上杉・武田に備えよ。」
「「は。」」

「政宗、光秀は顕如について更に探れ。」
「「御意。」」

「秀吉、貴様は城の強化に回す兵の準備をしろ。」
「畏まりました。」

「貴様らは、今後、この件に口を出すことは許さん。」

家臣たち「はっ」

「光秀、後で、天守へ来い。」
「は。」

その場で、散会となり、それぞれ、与えられた仕事のため散っていく。

「光秀さん、本当に良かったです。」
「蜜姫か。」
「秀吉さんも信長様もなつも心配してたんですよ。」
「なつも?」
「ええ、あいつは面倒事を・・・ってぼやいてました。」
「そうか・・・お前はあまり表に出るな。」
「え?」
「これから、更に城下での隠密の動きが気になる。万が一、お前が信長様の気に入りだと知れたら・・・分かるな?」
「あ・・・はい。気を付けます。」
頷いた蜜姫の頭を撫でると、光秀は天守へ向かうためその場を離れた。




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