第6章 破滅【完】
エルヴィンSide
エルヴィン「もう朝か…」
ふと、窓の外に目を向ければ夜明け前の薄暗い空が広がっていた
アイがここを発ってから3日目の朝を迎えようとしている
エルヴィン「…アイ」
もう帰って来てもいい頃だが、あちらで何かトラブルでもあったのか…?
まさかあの男に無理矢理抱かれ…
いや。そんな考えはよそう
私自らアイをあの男の元へ送ったのではないか
もし仮に迫られていたとしても私の娘の事だ、きっと上手く切り抜けている筈
今私が取るべき行動は心配などではなく、信じて帰りを待つ事だけだ
エルヴィン「お前は怒っているだろうな…?こんな父親にアイは任せてはおけないと…」
机の上に置かれた亡き妻の肖像画に語りかける
アイの整った美しい顔や白銀に輝く髪、そして驚く程の身体能力の高さは妻のフィリア譲り
少女から女性へと成長しつつあるアイの姿は、フィリアと初めて出会った頃を思い出す程によく似ている
エルヴィン「フィリア…私は父親失格だ。それは自覚している…だが、誰に何と罵られようとそれでも前に進むと決めた。そしてアイにも同じ覚悟がある」
例えどんは卑劣な手段を用いようとも
人類が勝利する為の努力を忘れてはいけないんだ
エルヴィン「だからアイを調査兵団に入団させた事も含め、私がお前の所に行った時にいくらでも説教を聞こう」