第6章 破滅【完】
アイSide
『はぁっ…はぁっ…』
あれから馬に乗り、駆け出してからどれくらいの時間が経ったのだろうか
吸い込んだ空気で肺までも凍りつきそうな寒さ
それに加え、やたら肌の露出が多い服のおかげで私の体力は既に限界に近い
『…私のバカ。コートぐらいあの男から貰って来るんだった…』
可愛くおねだりすれば、二つ返事で手に入れられただろうに…と今さらな事を考えながら
やっと壁の門を潜り抜けウォール・ローゼに入る
『もう直ぐだから、あと少し頑張って?』
私を乗せて走り続けてくれている馬の背に、そっと手を当てながら
調査兵団本部を目指し、一気に掛け抜ける
一秒でも早く…と
はやる気持ちを抑えながら