第5章 破滅【帰】
アイSide
『あの、ロヴォフ様!その前に、一杯だけご一緒して頂けませんか?お酒の力でも借りなければ、羞恥でどうにかなってしまいそうで…』
そのまま押し倒されそうになった私は、慌ててワインボトルを指差す
ロヴォフ「フフ…お前は何処まで私を魅了したら気が済むのだ?」
『我儘を言って申し訳ありません…』
ロヴォフ「お前の可愛い我儘ならばいくらでも聞いてやろう。それよりも酔ったお前がどんな風に乱れるのか…楽しみで仕方ない」
やっとロヴォフは私を解放し、ワインボトルに手を伸ばす
二つのグラスにワインを注ぎ、一つを私に手渡した
ロヴォフ「お前との夜に…」
ほんの一口でいい
それだけでアナタの自由を奪うには充分だから…
カチンとグラスを合わせれば、ロヴォフは豪快にそれを飲み干した
『ロヴォフ様…!そんなに一気に飲んでは…!』
ロヴォフ「ハハッ、心配する…な……っ!?」
言葉も続かぬままグラりとロヴォフの身体が傾く
『おっと』
今、凄くいいところなのに
大きな音でも立てて、仕様人が飛んで入って来てしまっては元も子もない
床に崩れる前にその身体を抱き止めて、ゆっくりと床に横たわらせる
『ロヴォフ様…どうかされました?」
私は冷たい視線をロヴォフに向け、嘲笑うかの様な笑みがこぼれた