第1章 真っ白
青、紫、緑、赤が戯れている。
あやめが単刀直入に思ったのはそれだ。
特に青は体力が有り余ってるのか、手に持ったボールを器用にクルクルと回す。
「あ、バスケか」
青が持っているボールは、知っている。
体育の授業でしかやった事無いが、彼が持っているのはバスケットボール。
世界中で愛されているスポーツだ。
「何だよ皆して。しゃーねぇ、シュート練でもするか……よっ!」
不貞腐れたのか青の彼は強めにボールを放った。
それはあやめがいる近くのバスケットゴールへ、真っ直ぐに。
ーガゴン!!
勢い良く放たれたボールはリングに当たり、ネットを揺らす事なく弾かれた。
刹那。
「きゃあっ!」
「ー!?」
弾かれたボールは少し勢いが緩んだものの、当たれば痛いほどのスピードで隠れて見ていたあやめに当たってしまった。
「誰かに当たったぞ!」
まさか人がいるとは思わなかった4人は互いを見合わせ、ボールと声を追って体育館の外へと急いだ。