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夢と現実と

第3章 仕事後のデキル女...


「はぁ、明日仕事だから10時には帰ること。いい?」


入れるんかい。


男「やったね~。」


にひひ。っと笑う後輩。

でかいくせに可愛いやつ。


こういうやつを世渡り上手とでもいうのだろうか。


たぶん、この子は、年上の扱い方を知ってる。


「まったく。」


男「先輩のスーツ姿、はじめて見た!」

「まぁ、そうだね、スーツ姿で会うことないからね。」

男「うん!めっちゃ、できる女!って感じ!っていうか、可愛いくなったよね!」


後輩は、「家に行きたい」発言や、今の、「可愛い」発言をする際に、私に彼氏がいるとか、いないとか考えないのだろうか?

思ったことを口にしているだけならまだ、かわいいもんだ。

彼氏がいなくて寂しいと知っていて、かわいらしい笑顔で悪魔のようなささやきをするならば計画的犯行なので、現行犯逮捕になる。


そう考えるから、スキを見せない。

それくらいじゃ動揺しないのよ。

だって、私のほうが年上だもん。


そう見せ付けるかのように

「だってデキル女だもん。」


それだけ言って、クスりと笑う。


男「相変わらず可愛げがないんだから~。」



なんて。

そんな簡単にオトせるとでも考えていたの?

甘いぞ、後輩君。


「ふふ、夜は何が食べたいですか?」

男「うーん。さんの手料理食べたら死にそうだからTSUTAYAの近くの、居酒屋に行きたい~。」

「なんで私の手料理食べたら死ぬのよ。」

男「え、料理苦手そうだもん。すっげーの出てきそう!」

「はー?ほんっと、可愛げのない後輩。」

男「うそうそ!(笑)仕事で疲れてるのに料理作らせるのはちょっと、だめかな~って。思っただけ!」


そういいながら、頭をポンポンしてくる。

こいつ....


女慣れしすぎだ。

現行犯逮捕してやりたい。

「はいはい。」


男「本当だって~~(笑)先輩がいいなら、先輩の料理が食べたい~~!」


「しかたないな~。いいでしょう。さ、帰ろっか。」

男「うん!あ、荷物もつ。」

「うん。ありがとう。」

男「さん。なんか。」

「なに?」


男「なんでもない!いこっ!!」
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