第3章 First Love
もしも、
それが運命だって、言うのなら
きっとまた
……会えるよね
だから、決めたんだ
見かけだけの金髪はやめにした
自分が嫌いな自分を
好きになってくれる人なんかいないよね
それなら私は
ちゃんと、私自身を好きになろう
「ちゃん、今日はママ、
お兄ちゃんとこに荷物持って行くから」
急に髪色を黒に戻した私に、ママが遠慮がちに声を掛けた
「うん。わかった」
私が笑ってそう応えると、安心したような笑顔を見せる
ほら…自分の見る角度さえ変えれば
ママが私に興味ないわけじゃないって、わかる
あんな風に突き放してたから、
どうしていいか、わからなかったんだよね?
ホントはどうかなんて、聞いてみないとわからないけど
自分がそう思えるだけで
世界が少し、変わって見えるよ
コンプレックスの塊で、
ずっと避けてたお兄ちゃんに
今なら会える
「ママ、私
代わりにお兄ちゃんとこ行こうか?」
ママがあからさまに驚いた顔をしたから
思わず笑った