第3章 First Love
“具合悪いから、学校は休む”
そう言った私を見たママが、
ホッとしたように表情を緩めたのを
他人事みたいに眺めていた
何を言っても、金髪の頭を元に戻さない私が
学校やご近所に
どう思われるかを心配してる
それに、
忙しいパパが帰宅した時、
それを知られれば、怒られるのはママだからだ
“困ったらいいんだ”
子供じみた考えかも知れない
でも、私のことを解ろうとしないママだって悪い
ドア越しに、用事があるからと出掛けたママを確認して……自分の部屋を出る
居心地の悪い家にも学校にも、いたくなんかない
ハンガーに掛けた制服を無視して、
クローゼットからお気に入りのワンピースを取り出す
淡いピンクにファーの付いた、少し短めの丈のスカート
一目惚れだったのに、
はしたないって、しつこく怒られてそれっきり
鏡に写る私は
ママの理想とはまったく違う
金髪の髪を撫でながら、
にっこり笑ってみた